赤だしと東海の豆味噌 — 濃厚な味噌汁の特徴とレシピ
「赤だし」とは何か。東海地方で発展した豆味噌を背景に、普段の味噌汁との違いと家庭で作る定番のレシピをまとめました。
「赤だし」は東海地方を中心に親しまれてきた味噌汁の呼び名で、その背景には独特の味噌文化があります。普段の味噌汁とどう違うのか、家庭で作る定番のレシピと一緒に紹介します。
赤だしとは
「赤だし」は元来、愛知・岐阜・三重を中心に発展してきた豆味噌で作った味噌汁の呼び名です。そこから転じて、豆味噌自体も指すこともあります。赤だしには次のような特徴があります。
原料は大豆と塩のみ — 米麹や麦麹を使わず、蒸した大豆そのものに麹をつけた「大豆麹」から仕込む。米味噌・麦味噌との最大の違いがここにある。
長期天然醸造 — 二夏二冬以上、年単位で熟成させる(米味噌の数ヶ月〜1年に対して長い)。
濃い赤褐色〜黒褐色 — 長期熟成のメイラード反応によって色が深くなる。
濃厚な旨味とコク — 米麹由来の甘みがない分、大豆の旨味が前面に立つ。米味噌に比べて甘みは控えめで、独特の渋み・ほのかな酸味を伴うとも言われる。
煮込み料理との相性 — 加熱しても風味が崩れにくいとされ、味噌煮込みうどん・味噌カツ・味噌田楽・土手煮など、東海の郷土料理を支えてきた。
レシピ例 — 赤だしの味噌汁(なめこと豆腐)
赤だしの味噌汁で広く親しまれている組み合わせがなめこと豆腐です。4人分。
出汁 600ml
赤だしみそ 大さじ2〜2.5
なめこ 1袋、絹ごし豆腐 1/2丁、青ねぎ 適量
出汁(または水)を温め、なめこと豆腐を入れて軽く煮ます。火を弱めて赤だしみそを溶き入れ、煮立たせず火を止めて青ねぎを散らせば完成です。なめこのとろみと豆味噌のコクが合わさり、普段の味噌汁とは一段違う厚みが出ます。
もう一歩先へ
豆味噌の濃さを活かした料理の代表が、愛知の郷土料理である味噌煮込みうどんや味噌田楽です。味噌汁で扱いに慣れたら、これらにも挑戦してみてください。
このサイトの味噌の一覧では、赤だしみそを含む各製造元の商品を見比べられます。
関連記事
味噌汁の作り方 — 「煮えばな」で香りを引き出す家庭の基本
味噌汁の主役は出汁と味噌の香り。「沸騰させてしまう」よくある失敗を避け、煮えばなで仕上げるための工程と分量を整理しました。
料理の「さしすせそ」とは? — 調味料の順番に隠された日本料理の知恵
砂糖→塩→酢→醤油→味噌。日本の家庭料理で語り継がれてきた調味料の基本順序「さしすせそ」。なぜこの順番なのか、本当に守るべきなのかを科学と歴史から整理します。
九州の甘口醤油 — なぜ甘いのか、何に合うのか
九州のスーパーで売られている醤油は驚くほど甘い。その理由と、合う料理、代表ブランドを3分で。
大豆と小麦の比率が決める醤油の味
濃口・淡口・たまり・白醤油 — 種類が違うのは大豆と小麦の比率(と発酵条件)が違うから。原料の役割を理解する3分。