醤油はどう作られる? — 大豆と小麦が琥珀色になるまで
大豆・小麦・塩からあの琥珀色の液体が生まれるまでの4工程と、3つの微生物が織りなす発酵のしくみを3分で。
公開: 2026/5/2
醤油は大豆・小麦・塩というシンプルな素材から作られる発酵食品です。けれどその工程をたどると、世界でも珍しい 3つの微生物が連続して働く 巧妙なしくみが見えてきます。
主原料は3つ
濃口醤油の原料はほぼ 大豆・小麦・塩のみ。大豆はタンパク質を、小麦はデンプンを供給し、塩は雑菌の繁殖を抑える役割を果たします。種類によって比率が変わり、それが醤油の味の個性を決めていきます。
4つの工程
1. 大豆を蒸し、小麦を炒る
大豆は柔らかく蒸し上げ、小麦は香ばしく炒ります。これらを冷ましてから ほぼ等量 に混ぜます。
2. 麹をつくる
混ぜた原料に種麹(Aspergillus sojae や Aspergillus oryzae)を振りかけ、温度・湿度を保った室で 3日ほど培養。麹菌がデンプンを糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する酵素を作ります。
3. もろみ仕込み
麹に塩水を加えて樽に仕込み、もろみ と呼ばれるどろどろの状態で熟成させます。ここで活躍するのが第二の主役 乳酸菌 と、第三の主役 酵母。乳酸菌が酸味と保存性を、酵母がアルコールと豊かな香りを生み出します。発酵期間は半年〜2年。
4. 圧搾・火入れ
熟成しきったもろみを布で絞ると、生醤油(きじょうゆ)が取れます。これを80℃前後で 火入れ し、色を整え、酵素や微生物の働きを止めて完成です。
蔵元ごとの違い
同じ工程でも、水質・気候・杉桶・蔵に棲みつく菌 によって味が変わるのが醤油の面白いところ。木桶で仕込む蔵は減ってきましたが、伝統製法を守る蔵元の醤油は今も独自の風味で愛されています。
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