越後味噌 — 新潟の赤系辛口米味噌の特徴とレシピ
新潟県で作られる赤系辛口の越後味噌。上越地方の「浮き糀みそ」で知られる位置づけと、代表的な蔵元、家庭で作るレシピをまとめました。
越後味噌は新潟県で作られる赤系・辛口の米味噌です。米どころ新潟ならではの良質な米麹と寒冷な気候を活かして仕込まれ、上越地方では麹粒が表面に浮いて見える「浮き糀みそ」が特徴的な仕上がりとして知られています。新潟の発酵文化を支える越後味噌の特徴と、家庭で作るレシピを紹介します。
越後味噌とは
越後味噌は、新潟県内で米麹・大豆・塩から仕込む米味噌の総称です。地理的表示や地域団体商標といった法的な保護はなく、地域の通称として用いられている呼び名です。明治期に味噌製造が自由化されると、新潟市を中心に北洋漁業や北海道移住者向けの食糧として産業化が進み、味噌の主要産地の一つに発展してきました。越後味噌には次のような特徴があります。
赤色〜赤褐色の米味噌 — 米麹・大豆・塩で仕込み、米麹歩合は東日本の辛口の中ではやや高め。色は赤系。
「浮き糀みそ」(上越地方) — 上越地方の蔵では、蒸した米麹の粒がそのまま表面に浮いて見える仕込みが受け継がれている。新潟県全体の特徴ではなく、上越特有の仕上がりである点に注意。
中辛口・塩分12%前後 — 一般的な辛口味噌の塩分濃度で、長期保存にも向く。
米どころの良質な麹 — 米の生産量が多い新潟では、良質な米麹を使った仕込みが各蔵で重視されている。
こし・粒の両タイプ — 蔵元によって滑らかなこしタイプと、米粒の食感が残る粒タイプの両方がある。
代表的な越後味噌の蔵元
新潟県内には個性のある味噌蔵が点在しています。代表的な製造元を挙げます。
峰村醸造(新潟市中央区) — 1905年(明治38年)創業、沼垂(ぬったり)エリアの老舗。看板商品は越後味噌で、味噌漬けや発酵食品も幅広く扱う。
あおき味噌(上越市三和区) — 1951年創業。上越伝統の浮き糀みそを代表的に手掛け、全国味噌鑑評会で農林水産大臣賞を受賞している蔵元。
山本味噌醸造場(上越市中央) — 1916年(大正5年)創業。手造り醸造を貫き、上越の浮き糀味噌「ゆきんこ味噌」を看板商品とする。
堀周商店(新潟市南区) — 1926年(大正15年)創業。米糀・米酢の製造を起源とする糀みその蔵元。新潟県産大豆を用いた田舎味噌が特徴。
レシピ例 — 越後味噌の味噌汁(鮭と根菜)
新潟は鮭の主要産地としても知られ、寒い時期には鮭を使った汁物が家庭の食卓に並びます。越後味噌のコクと相性の良い、鮭と根菜の味噌汁です。4人分。
出汁(昆布) 600ml
越後味噌 大さじ3前後(辛口寄りのため、味を見ながら調整)
生鮭(切り身) 2切れ、大根 5cm、人参 1/2本、長ねぎ 1本
大根と人参はいちょう切りに、長ねぎは斜め切りに、鮭は一口大に切ります。出汁を温めて大根・人参を柔らかくなるまで煮、鮭を加えて火が通るまでさっと煮ます。火を弱めて越後味噌をお玉で溶き入れ、長ねぎを加えて煮立たせず火を止めれば完成です。鮭の旨味が出汁に溶け込み、根菜の甘みと越後味噌のコクで体が温まる一杯になります。
もう一歩先へ
越後味噌は普段の味噌汁に加え、鮭を漬け込んで焼く「鮭の味噌漬け焼き」、根菜たっぷりの「具だくさん味噌汁」、味噌田楽など、新潟の食卓で幅広く活躍します。同じ赤系辛口の信州味噌や仙台味噌と比べて米麹歩合が高めで、特に上越地方の浮き糀みそは粒感のある独特の風味を持ちます。
このサイトの味噌の一覧では、越後味噌を含む各製造元の商品を見比べられます。
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